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人件費って高いのです①

ほぼすべての産業において、経費(販管費)に占める割合が最も高いのは「人件費」ではないでしょうか。経産省の企業活動基本調査においても毎年約50〜60%が人件費です。企業にとってはこれよりも高い比率だってあるみたいです。人は多くの付加価値を生み出す貴重な存在であると同時に最大のコストセンターであるとも言えます。コスト削減に取り組む企業は多い一方、人員削減(いわゆるリストラ)に取り組む企業はマイノリティでもあります。なぜ経費削減というとコピー代とか水道光熱費など些少な経費に目が向くのかも不思議な習わしです。人件費を削減、言い換えると不要な人員を減らしたほうが圧倒的に経費削減効果は高いのにです。

これは人が大いなる無限の可能性を秘めているからにほかなりません。利益をもたらしてくれるのも人だからなのです。最近では生成AIとかシンギュラリティとかで人が要らなくなるとも言われていますが私は職種によってだと思います。単純作業(代表的なのはスーパーのレジ)やコンピュータが得意とする人間には複雑な業務(税理士とか一般事務とか)はたしかに付加価値をもっと追求しないとどんどん淘汰されていくことでしょう。近い将来には難関の公認会計士、税理士資格を持った人より、キャバ嬢のほうが付加価値が高いなんてことも当たり前になるやもしれません。

こんなに高額な人件費は経営を圧迫する要因であると同時に、利益を生み出す金の卵でもあるので企業は人を欲しがるわけですね。しかしこれからの日本、急激な人口減少は既定路線です。採用、採用とばかり叫んでもいられません。では歩留まり(現従業員を引き止める)に注力すればいいのか。いいえ時代は転職や副業・複業が当たり前の時代です。今までなおざりにされていて、今着目すべきはアルムナイ(卒業生)なのです。(続く)