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費用対効果

あなたは「費用対効果」って言葉を口にしたことがありますか。もちろんあるはずですが、正しく使えていますでしょうか。「バカにすんなよ!ちゃんと知ってるわ!」とムカつかせていたら、ごめんなさい。私のまわりには正しく使えていない人もいたので、私は独善的にこの言葉が嫌いになってしまったのです。さらにごめんね「費用対効果」ちゃん。

私が耳にしてきた「費用対効果」はほとんどの場合、企画や営業のシーンでした。例えば、とある企画を私がプレゼンした相手から突きつけられるのです。
「面白い企画だけど、費用対効果を数字で示してくれなくちゃ説得力がないよ。」てな具合です。はい、このセリフは極めて合理的だと思います。企画を実行する際には、ヒトカネモノを投下するわけですから、リターンが重要です。ここでの費用対効果が「期待できる効果」を指しているのならば、なんの違和感もないのです。だってかけた費用以上の効果が担保されるのならば、世の中の苦労はほとんどなくなりますもの。

私が 嫌い と言ったのは「費用対効果」を断り口上で使うシーンのことなのです。言った側は「してやったり」、言われた側は「やりこめられた」が残って、はい!企画はボツって次第です。なんと非生産的なやりとりなのでしょうか。

よくよく考えると「費用対効果」は過去の振り返りに利用すると効果的ではないでしょうか。未来に対してはもう少し丁寧に「で、いくらかかって期待できるリターンはなんなの?」と表現するなら違和感はありません。言葉の難しさを端的に示しているような気がします。

最近は”論破”ブームにもなっていますが、人生は論破ゲームではないのですから、ビジネスシーンで論破ごっこは百害あって一利なしです。「それってあなた(私)の感想でしょ!」→「はい・・・」