中小企業の従業員にとっては、なぜだか遠い目をしてしまう(?)退職金のお話です。
現在の若手会社員にとっては退職金は確定拠出型年金(の会社拠出分)と言ってもいいかもしれません。一方では中小企業の経営者や大企業のベテラン社員、公務員にとってはとてもとても大きな意味を持つ退職金です。
その昔は退職金は給与の一部でもありました。(今でも)税金が優遇されていて、大企業で、新卒から定年まで働くと普通のサラリーマンですら2000〜3000万円くらいは退職金が出るのが普通でした。さらに年金も今よりずっと金額が充実していましたので20歳から60歳まで真面目に一企業で働いていれば、老後は安泰だったわけです。会社側の意識も家族経営の意識が主流であり松下(Panasonic)や出光のように経営危機に陥っても「従業員の首は切らない」が美徳でした。
今はすっかり時代も変わり、終身一企業で勤める人も激減していくことでしょう。前述の松下電器なども確か30年くらい前に率先して退職金の廃止にチャレンジしたことがニュースになりました。退職金分を給与に少しずつ上乗せできるようにしたのです。これはポイント制と似ていて「たくさん貯めてから使う」派が退職金で、少しでもポイントが使えればどんどん使っていくのが現代風です。それはそうです!ポイントを貯めて得をするのはせいぜいマイレージくらいなものです。一般のポイントは多く貯めてもプレミアムがつくわけではないので、どんどん使ったほうが節約になるのですから。