アルムナイ（転退職者）とのつながりを提案すると、かなりの確率で言われることがあります。「アルムナイって辞めた人でしょ。悪いことをした人や能力のない人とつながりたくないんだよね」・・・正直びっくりです！そう言われた時に私もついつい言い返しちゃうのです。「いえいえ、現従業員の中にも悪い人や能力の低い人はいますよね。そんな人を探し出して解雇するんですか？」

また新卒採用でも同じようなことが言えます。「あなたの会社の期待の有望新人、早くも活躍中ですって？将来を嘱望されている！すばらしいですね」・・・「でもいずれ（定年を待たずに）辞めちゃいますよ」

決して売り言葉に買い言葉ではありません。厚労省の２０２０年のデータによると入社３年以内に辞める人は約３割です。また１０年以内だと女性はなんと６割（男性は４割弱）にまで跳ね上がります。時代なんですね。

気を付けなければならないのは辞める理由です。ステレオタイプの昭和世代にとってのみ辞める理由は「会社が気に入らないから」または「会社に必要ないから」の２者択一なのです。現在の辞める理由は様々です。そもそもの価値観が異なるのです。「いろいろ、やってみたいから」という理由だってわんさかあります。むしろポジティブな理由で辞める人はかなりの割合でいるのですから。

会社が一方的に「ダメな奴」の烙印を押して、一所懸命にアルムナイ（転退職者）とのかかわりを拒絶することになんのメリットがあるのでしょうか。メリットどころか多大なるデメリットだと思います。王国をつくりたい独裁経営を目指す輩を除いてはね！