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ジャニーズのハラスメント

ハラスメントという言葉を聞けば、誰もがそれぞれ異なるイメージや経験を思い浮かべるでしょう。かつてハラスメントといえば「セクハラ」でした。ジャニーズ問題もセクハラなのでしょうが、パワハラでもあり、モラハラでもあり、リスハラ(リストラハラスメント)かもしれません。

セクハラは、いうまでもなく性的な意味合いです。そして「相手が嫌がらなければハラスメントではない」という考えに立脚していたものの、実際の現場ではそう単純な問題ではありません。心の中では嫌でも言えないケース、そう大したことではないがどちらかというと嫌なケース、その時は(酔っていたりして)看過していたが、やっぱり許せないケース等々様々です。

ジャニーズの件は、単なるセクハラには留まらず(犯罪としての)小児性愛の問題やパワハラも直接的です。肯定されるべき要素が何一つない上に、長期間にわたって隠蔽とも言える社会ぐるみの大問題でもありますから、単純にハラスメントとして片付けられないのは言うまでもありません。

ところで仮説ではありますが、このジャニーズ問題、相手が成人で、異性で、雇用関係がないとしたらおそらく問題はないのでしょう。紀州のドンファンを思い出したのは私だけでしょうか。残念ながら現代社会はまだ発展途上であり、全人類にとって公平で誠実な社会ではありません。行きすぎた批判や制裁が人類の発展を阻害するのも確かです。それは事なかれ主義になるからです。もっと過激な言葉でいうと共産主義(の理想)が終着点であるとも言えます。

許しがたい「ジャニーズ問題」ですが、それはエンタメの巨大利権に対する判官贔屓であり、小児性愛という悍ましい犯罪への嫌悪であり、適切ではない過程を経たかもしれないという妄想に基づく成功者たちへのやっかみであるとも言えます。