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先駆者利得

「やったもんがち」と言ったほうが私にはすんなり入ってきます。先駆者利得、先行者利益等の五文字熟語にするとなんとなく、難しそうな、特別な人にしかできないような、ハイリスク、そんなイメージがつきまとうからです。世の中に氾濫する「なんちゃって経営学」の弊害で、損をしてはいけない!費用対効果を示せ!という現状維持派が忌み嫌う語感なのです。もちろん先にやったからといって独占したり、莫大な利益が上がるとは限りません。「お得だよー」って感じです。

では具体例はなんでしょうか。顕著な例ですと、ご存知Amazonです。この世界最大の小売店はおよそ30年前に本をネット販売し始めました。ほぼ全員が「本は本屋でみて買うものでしょ」「配達するのに配送料がかかるから、儲からないでしょ」と言った否定的な見方をしていました。しかし数年でネット書店はAmazon!という概念ができあがり、追従するサービスも数多く出てきたのにです。その後の飛躍的な発展は言うまでもないでしょう。

身近な例をあげます。ゴルフ好きのAさんは新しい職場でも仲間を探しています。(一部の人を除き一人でゴルフはできないのです)そこでゴルフコンペを企画して幹事を買って出て、初心者には練習場につきあったりもしました。その結果、コンペは定例となり盛り上がり、情報は必ずAさんに集中して人脈も豊かになりました。独身だったAさんはゴルフ仲間と結婚することになりました。

こんな例はいくらでもあります。その時に「企画するのは億劫だ」「幹事なんか一銭も儲からない」「ゴルフ仲間の人脈なんて仕事の役には立たない」って考えますか。目先の損得だけなら何もやらないほうが、絶対に損はしません。そんな考え方は誰も持っていないはずなのに、どうして「挑戦」しないんでしょうね。