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アルムナイバイアス

アルムナイ(卒業生・同窓生)ですら、耳慣れない言葉なのにさらにわかりづらい「バイアス」までブチ込んできたな!と思ってらっしゃる人もいることでしょう。まああらゆる意味でキャッチーな言葉を選んだつもりなので、どうかご勘弁ください。バイアスは偏見と言った方がわかりやすいかもしれません。
この「アルムナイバイアス」昭和生まれの人には隠然とした事実です。アルムナイは落ちこぼれで会社にいられなくなったから、忍耐が足りないから、不正を働いたから、競争に負けたから、ライバル会社に引き抜かれたから・・・といったネガティブなイメージのオンパレードです。どうしてこんなイメージを知らず知らずのうちに抱いてしまうのでしょうか。
理由は簡単、終身雇用制が背景にあるのです。昭和の高度成長期、ベビーブーム、そしてバブル経済へと拡大を続ける日本社会において、根付いたのが終身雇用制だったのです。言い換えると大家族経営と言っても差し支えないかもしれません。新卒で入社した会社には定年までの時間を捧げる代わりに安定と多額の退職金を得るという制度です。
このような環境において、転職するなんて考えられない!だったわけです。つまり転職する人はなにかネガティブな理由があるはずだったのです。それが現在でも潜在意識や制度に根強く残っているというわけです。